ダイバーシティニュース 社会(10/11)駒崎弘樹【11/30までの限定公開】

駒崎弘樹(こまざき・ひろき):認定NPO法人フローレンス 代表理事
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、日本初となる「共済型・訪問型」の病児保育サービスを開始。2010年より内閣府政策調査員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員。『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)など、著書多数。公式サイトTwitter

駒崎弘樹さんのニュースピックアップ

1. 岸田新政権、子育て世帯の経済負担軽減も主なテーマに

これまで高齢層に寄っていた再分配を現役世代にもきちんと向けて欲しい。たとえば、現状では出産一時金が出ますが、これを完全に無償化したり、共働き世帯だけでなく誰もが子どもを保育園に預けられるようにしたり。「これからこういう国にしていくんだ」というビジョンに紐付いた大胆な政策を打って欲しい。

2. 若者らの団体が緊急避妊薬の薬局販売を厚生省に要望

産婦人科でしか購入できない緊急避妊薬(アフターピル)のOTC化(Over The Counterの略。薬局などでカウンター越しに薬を購入できること)の議論だが、日本では「若者が性に関して無節操になるのでは?」等の反対意見もあってなかなか進まない。望まない妊娠が子どもの虐待等につながってしまうのを防ぐことと、「性のモラルが云々」という話のどちらが大切なのかと産婦人科関係者に問いたい。女性の健康・権利を低く見積もる、ある種の構造的差別を感じる。

3. 子ども虐待死は0歳児が最多 月齢では0か月が39.3%

トイレやお風呂で産んだのち、そのまま殺害・遺棄してしまうようなケースが後を絶たない。望まない妊娠をしてしまい、かつ親を含め周囲にも相談できず孤独な状況で出産せざるを得ない環境が背景にある。我々フローレンスは匿名の妊娠相談も行っている。育てられない方は特別養子縁組で養親さんとつなぐこともできるので、望みを失わず、遠慮せず相談して欲しい。

4. 双子ベビーカーが都バス全路線で折りたたまず乗車可能に

今までは折りたたまないと乗車できなかったが、フローレンス女性社員が都知事に陳情を行うなどして頑張った結果、今回の改定が実現した。横浜市営バスもOKになった。当事者の方々には「今までバスで病院に行くのを諦めていたので感無量です」といった声をいただいている。双子ベビーカー世帯に優しい社会は皆に優しい社会。東京、横浜から全国に広がって欲しい。「茨城も頼みますよ?」と申し上げたい。

5. 止まらない児童虐待死 大阪でも3歳児が犠牲に

知人らが市に虐待情報を寄せていたものの、児童相談所が一時保護をせず最悪の結果となってしまった。背景には児相の人手不足がある。今は一時保護施設のキャパも足りず、警察と情報共有する“子どもデータベース”もない。とにかく児童虐待防止の政策・予算が圧倒的に足りず、効果的な施策が打てていない状態だ。大阪の事件を児相叩きで終わらせず、社会全体で大きなリソースを投下していく必要がある。

【スペシャルトーク】若者の政治参加

スペシャルトークでは、若者の政治参加をカルチャーにするための活動をされている一般社団法「NO YOUTH NO JAPAN」の能條桃子さんに、若者の政治参加についてお話を聞いた。

「NO YOUTH NO JAPAN」は若い世代の政治参加を促進するため、主にInstagramを使って社会や政治について分りやすく解説・発信する活動をしている。10代から20代、70人ほどのメンバーで活動していて、現在は政治家の方を招きインスタライブも行ったりしている。

普段からSNSで情報を受け取っているので、同じようにSNSで政治との接点もつくりたい。友だちが何をシェアしているかが気になる環境でもあるので、社会や政治の問題についても周囲の友だちに影響を与えられるような人を増やしていけたらと思っている。

「偉いね」「真面目だね」と言われることもあるが、私がこの活動をしているのは自分の将来が不安だから。日本社会がもっと良くならないと私たち自身が生きていきたいと思えない。ただ、こうした活動をしている人の多くは「友だちのなかで浮かないようにしたい」といった気持ちもあると思うので、普段の会話の延長で政治の話もできるようにしたい。

「選挙に行こう」というと上から目線の啓発になりがちだが、日常的な感覚で「あ、分かる」と思えるよう、同世代の目線で発信することを意識している。また、政党・候補者について中立でいることも心がけている。「こちらのほうが良いのでは?」といった自分自身の意見はあるが、選挙に行ったことのない人は政党名も知らないことが多く、「中立の立場で教えて欲しい」という声が多いので。

今回の衆院選では、投票に行くことも大切だが「自分はどんな社会を生きたいか」と考えたうえで投票先を選ぶ人が増えたらと思う。そのうえで、ぜひ周囲の友だちと政治について会話をしてみて欲しい。身近な人を動かせるのは、実は自分かもしれない。そのなかで投票に行く人が少しずつ増えていった先に、若い世代の投票率が高い社会もあるのではないか。そのためにも今回は“会話が生まれる選挙”になって欲しいし、私たちの活動にも皆で参加してもらえたら嬉しい。

能條桃子(のうじょう・ももこ):一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN 代表理事
若者の投票率が80%を超えるデンマーク留学をきっかけに、政治の情報を分かりやすくまとめたInstagramアカウントNO YOUTH NO JAPANを2019年7月に立ち上げ、2週間でフォロワー1.5万人を集める。2020年にはNO YOUTH NO JAPANを一般社団法人化。2021年現在は慶応義塾大学の大学院で学ぶ傍ら、およそ70名のメンバーとともに、ジェンダーと気候変動に関心を持ちながら「参加型デモクラシー」のある社会をつくっていくために活動中。「NO YOUTH NO JAPAN」公式サイトTwitter

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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