ダイバーシティニュース 政治(10/12)河添恵子【11/30までの限定公開】

河添恵子(かわそえ・けいこ):ノンフィクション作家
一般社団法人美し国なでしこオピニオンの会顧問。1963年千葉県松戸市生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学(大連)へ留学。『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『覇権・監視国家 世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)等、著書多数。報道番組でのコメンテーターとしての出演も多数。Twitter

河添恵子さんのニュースピックアップ

1. 岸田首相、所信表明で「新しい資本主義の実現」に意欲

「新しい資本主義」というのは美しい言葉だが、外圧でグローバリストに組み込まれる話にしか過ぎず、必ずしも喜べない。何より、世界の富の82%が1%の富裕層に偏在するという現在の格差をつくったのは世界の支配構造であり経済システム。岸田さん個人ではないにせよ、そこに加担してきた側面もある自民党政権に「(今までの資本主義を)変えます」と言われても信用できないと感じる。

2. インターネット自由度ランキングで中国が7年連続最下位

来年の北京五輪で羽生結弦選手の“演技後”はどうなるのか。素晴らしい演技に対して氷上にプーさんのぬいぐるみが投げ込まれることはよく知られているが、習近平さんが「似ている」と揶揄されたことから中国のネットでは「くまのプーさん」が禁止ワード。CCTVもプーさんが投げ込まれる様子を映すのかな、と。ある意味では楽しみだが、そもそも開催中は北京でプーさんのぬいぐるみが売られないかもしれない。

3. CIAが「最大の長期的脅威=中国」に特化した部署を創設

CIAと中国共産党は長らく緊密な関係を築いてきたが、米国は最近になって中国を警戒する方向に転換してきた。中国内で現地の人々をスパイとしてスカウトしたりもしていたが、その多くはダブルスパイとなって逆に米国情報を中国へ提供していたような背景もある。昨年はテキサス州の中国総領事館も「スパイセンターになっている」として閉鎖になった。そうした流れの変化を受けてCIAにも新しい部門が出来たと認識している。

4. 台湾で米が極秘裏に軍事訓練 台湾海峡の緊張高まる

アメリカの特殊部隊が台湾でも訓練していることは以前から知られていた。当地でアメリカ大使館の機能を果たすAIT(米国在台湾協会)の施設は超巨大で、膨大な備蓄庫があり、米軍は対空ミサイルを含む武器を搬入しているとの話も聞く。ただ、それが公になったのは、“台湾統一”に自信を見せる習近平氏にアメリカの対抗姿勢が本気であることを示すためではないか。

5. フランスの上院議員らの訪台に中国が激しく反発

2017年頃は習近平氏を「自由貿易の旗手」と讃えていたフランスだが、2018年頃から流れは変わり、2019年にはマクロン大統領が「欧州が中国に脳天気でいる時代は終わった」とまで述べた。今年5月には上院で台湾の国際組織参加を支持する法案も可決され、「台湾を国として認めよう」との流れができている。今はEUの総意として中国との関係が変わっているフェーズなのだろう。

【スペシャルトーク】中国の影響力作戦

スペシャルトークでは、フランス軍事アカデミー戦略研究所(IRSEM)が今年9月に発表した「中国の影響力作戦」という報告書について、河添恵子さんに掘り下げていただいた。

約650ページにわたる同報告書では、在外華人を使った共産党宣伝工作、国際機関への浸透、インターネット情報操作等を駆使して、世界各地で影響力を高めようとする中国の戦略が細かくレポートされている。日本にも言及しており、「沖縄住民の日本に対する複雑な感情や米軍基地への反発が、中国として利用しやすい状況になっている」と述べている。

特にスウェーデンとの関係変化に関する報告が面白い。同国は1950年に中華人民共和国と初めて国交を樹立した、いわば中国の恩人。しかし、近年の中国大使による“戦狼(せんろう)”ぶりでスウェーデン国民の反中感情は大きく膨らみ、同国の孔子学院はすべて閉鎖。116都市が結んでいた中国各都市との友好関係も100都市近くが解消した。もはやスウェーデンとの関係は壊れたと言っていい。

IRSEMの分析によれば、中国側は「人口1,000万人程度の小さな国だから大した反撃もないだろう」と甘く見ていた、と。そのうえで、自由と民主主義を重視するスウェーデンを籠絡すべく戦狼外交を仕掛けてきたという。ところがスウェーデンはそれに負けず、最終的には今年9月に中国大使を追放した。多様な意見を尊重する国だが、そうした価値観自体を傷つけるような行為には思い切った厳しい対応をするという話だろう。

一方で日本はどうか。少なくとも岸田さんの所信表明演説では中国共産党の脅威もほとんど言及されていなかった。背景には経団連がいたりして今までの方向を変えにくいのかもしれない。ただ、単なる経済協力であっても日本は恩恵を本当に受けられるのか。「中国側が対外協力でよく使う”Win-Win”という言葉は、中国が2回勝つという意味だ」と言う人もいる。そうした意味でも今は日本の対応が問われているのだと思う。IRSEMの報告書では日本について深く書かれてはいないが、自衛隊や安全保障に関わる方にはぜひ読んでみて欲しい。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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