ダイバーシティニュース テクノロジー/医療(10/15)宋美玄【11/30までの限定公開】

宋美玄(ソン・ミヒョン):産婦人科医・医学博士・性科学者・丸の内の森レディースクリニック院長

大阪大学医学部卒業後、川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、国内で産婦人科医として勤務。日本新生児周産期学会会員、日本性科学会会員、日本産婦人科学会専門医。“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。 Twitter

宋美玄さんのニュースピックアップ

1.データが語る!男性の育児・家事時間が出生率に影響

経済協力開発機構(OECD)のデータから、「不平等な男女負担」が浮かび上がる。注目すべきは、日本と韓国。日本の女性が家事や育児にかける時間は男性の4.76倍、韓国は4.43倍。両国とも急速な人口減少につながる出生率を記録している。男性以外で育児・家事を回す政策を導入するのではなく、「男性の家庭進出」が重要だ。

2.岸田首相、少子化担当大臣に野田聖子氏起用。女性政策に期待

岸田首相は、新内閣の少子化担当大臣に野田聖子氏を起用した。野田氏は、女性政策、生殖補助医療の法整備などにも積極的に取り組んできた。野田氏を起用することで、女性活躍や子育て支援の姿勢をアピールする。個人的にも、野田さんのこれまでの行動や発言を見ていて、少子化に向けた取り組みに期待が高まる。

3.今年上半期の出生数、2000年以降最少。コロナの影響も

2021年上半期の出生数は40万5029人と前年同期比で2万5680人減。この数字は、上半期の速報値としては2000年以降で最も少ない。新型コロナウイルス感染拡大の影響が指摘されている。先が読めず、不安のある社会においては「子供を産む」という選択を取らないことが明らかになったように思う。

4.新型出生前検査に国が関与。妊婦らへの正確な情報提供が鍵

新型出生前診断(NIPT)について、国が関与する認証制度に向けた準備が進んでいる。新型出生前診断とは妊婦の血液から胎児の染色体疾患を推定する。「命の選別につながりかねない」という言葉でなかなか進まずにいたが、それによって営利目的の無認定施設が増加してしまった。妊婦の意思決定支援を目的に、NIPTに関する情報を広く伝えていく。

5.産婦人科医のほとんどが「緊急避妊薬」の薬局販売に反対?

望まない妊娠を防ぐために使われる「緊急避妊薬(アフターピル)」に関するアンケート調査結果が批判を集めている。厚生労働省の検討会資料として、日本産婦人科医会が提出したものだが、薬局販売に反対する産婦人科医が実際よりも多く見えるよう集計されているという。私も一人の産婦人科医として「緊急避妊薬」が手に入れにくいという現状を変えていかなければならないと思う。

【スペシャルトーク】HPVワクチン積極的推奨再開に向けて

スペシャルトークでは、産婦人科医の稲葉可奈子(いなば・かなこ)さんをゲストにお迎えして「HPVワクチン積極的推奨再開に向けて」についてお話を頂いた。

HPVワクチンとは、主に子宮頸(けい)がん予防のワクチン。日本は、過去に副反応と疑われる報告が相次いだこともあり、世界各国と比べてもHPVワクチン接種率はとても低い状況がつづいていた。データを見ると一目瞭然で、たとえばノルウェーの接種率93%に対して、日本はわずか0.6%。「子宮頸がんは、誰でもなりうる病気だが予防できるがんでもある」ことを考えると、この数字は本当に歯がゆい。ここ最近、少しずつ接種率が上がってきているが道半ば。

安全性についても研究が進められていて、症状の発生についてはワクチン接種により症状が出るとはいえないことが分かっている。同時に有効性についても新しい研究結果が出された。年齢別では10~16歳は88%、17~30歳は53%、全体では63%の人が子宮頸がんの発症リスクが減少するという。

小学校6年生~高校1年生までは無料で定期接種を受けることができるので、ぜひ接種を検討してほしい。自費の場合は約5万円かかるが、26歳までは接種したほうが効果が費用を上回るという声もある。もし接種しないとしても、2年ごとの検診を強くお勧めする。子宮頸がんに関しては検診による早期発見も重要だが、同時にHPVワクチンで予防することも知っておいてほしい。ワクチンと検診の両輪で予防することが重要だ。

稲葉可奈子:医師・医学博士・産婦人科専門医・みんパピ!代表

京都大学医学部卒、東京大学大学院にて医学博士号取得。大学病院や市中病院で研修を経て、現在は関東中央病院産婦人科勤務。プライベートでは四児の母。SNSなどで子宮頸がん予防のHPVワクチンに関する情報発信を積極的に行う。Twitter 

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz

2.YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA

3. radikoでも聴取可能です

最新情報は、Twitterでご確認ください。

※当コンテンツは作成時点までの信頼できると思われる情報に基づき作成しており、正確性、相当性、完成性などのほか、当情報で被ったとされる利用者の不利益に対しグロービス知見録編集部は責任を負いません。

 

RELATED CONTENTS