ダイバーシティニュース 経済(5/11)金泉俊輔さん 【6月30日までの限定公開】

金泉俊輔(かないずみ・しゅんすけ):株式会社News Picks Studios代表取締役CEO
フリーライターとして活動後、女性情報誌、女性ファッション誌の編集を経て、「週刊SPA!」編集長、ウェブ版「日刊SPA!」を創刊。株式会社ニューズピックスへ移籍後はNews Picks編集長、プレミアム事業執行役員を経て、2020年1月から現職。Twitter

金泉俊輔さんのニュースピックアップ

1.FAO、ロシア軍がウクライナから穀物略奪の可能性指摘

国連食糧農業機関(FAO)が、約70万トンの穀物がロシア軍に略奪された可能性を指摘している。ロシアの海上封鎖で、ウクライナは船舶を利用した穀物輸出ができなくなっている。こうしたなか、ロシアがウクライナから略奪した穀物をエジプトなどに輸出しようとしたという話もある。欧米諸国の圧力で中止となったが、中東や北アフリカは極端な穀物不足という状況もあり、転売されるのは時間の問題か。通常であれば小麦で年間3000万トンほどの生産量があるウクライナだが現在、生産は落ちていると思われる。世界の経済が変化していく起点となると予想される。

2. 東京都区部の4月の消費者物価指数、8カ月連続プラス

インフレ率はまだ2%ほどだが、全国でもこれと同様かそれ以上の率になる見込み。この30年程度で一番のインフレ局面になる可能性がある。生活者にとって、インフレはデフレ以上に怖い側面も。物価のみが上がり給与所得が上がらない場合などは、消費者が苦しい生活を強いられることになる。政府や企業側の対応とともに、今後の流れを注視しなければならない。

3. 岸田首相、ロンドン金融街で「資産所得倍増プラン」表明

官民一体となって新たな資本主義を作るプランとして、日本の個人金融資産約2000兆円を貯蓄から投資へ誘導する方針を明らかにした。比較的冷静な識者からも疑問の声が上がっている。投資への意欲がある世代の可処分所得が少ないのも問題。NISA(少額投資非課税制度)や確定拠出年金の改革も進んでいるが、地道な取り組みとともに国民に向けた金融教育をしていく必要がある。

4. イーロン・マスク氏、TwitterのCEOに就任予定

マスク氏が、暫定的にTwitterの最高経営責任者(CEO)に就任する見込みと報じられた。主に言論の自由に関する発言が取り沙汰されているが、投資家向けの資料によると、2028年までに収益を現在の5倍にするとともに、広告への依存度を半分にし、サブスクリプションサービスを始めるという。サウジアラビアの王子のほか、世界トップクラスのベンチャーキャピタル(VC)から融資を確保するなど、マスク氏の一挙手一投足に注目が集まっている。

5. 脱炭素加速へ新領域「気候テック」のスタートアップ

アメリカでは「気候テック(クライメートテック)」がバズワードとなっている。世界においてはロシアの資源からの脱却に伴い、脱炭素への取り組みが加速しており、スタンフォード大学が気候変動とサスティナビリティに関する新スクールを70年ぶりに新設した。多彩な技術がある中で、最も注目を集めているのが「炭素除去」。これまで植物が担っていたCO2(二酸化炭素)の吸収を人工的に行う技術分野に、海外のスタートアップが参入している。

【スペシャルトーク】 宇宙ビジネスの現状や展望

スペシャルトークでは、一般社団法人スペースポートジャパン共同創業者・理事の片山俊大氏に、宇宙ビジネスの現状や展望を解説した著書『超速でわかる! 宇宙ビジネス』についてお話いただいた。

宇宙ビジネスが昨今、メディアを賑わせている。その理由はアメリカを中心に、宇宙産業の民営化が進んでいること、人工衛星の小型化・高性能化が進み、そのニーズも増えていることが挙げられる。IT分野で億万長者になった人々が次々と新規事業として宇宙事業を視野に入れていることもあり、注目が高まっている。

宇宙開発は、SF作家のジュール・ヴェルヌが描いた空想の世界を実現するような流れとなっている。最初に宇宙空間に行ったのはドイツのロケット。その技術がアメリカとソ連にわたり、核兵器開発競争、ミサイル開発競争が起こった。ソ連が「スプートニク」を打ち上げたことによってアメリカが混乱に陥り、さらにソ連は有人飛行を敢行。それに対抗してアメリカはアポロ計画を行った。やがてGPS(全地球測位システム)や気象衛星などのインフラに技術が活用されるようになった。宇宙産業の民営化が進むうえで、富裕層向けのパッケージとして宇宙旅行も生まれた。

現在、人工衛星を打ち上げたいというニーズが急増しているのに対し、打ち上げる場が不足しているが、最近では滑走路から水平に離陸し、人工衛星や人を宇宙空間に運ぶことも可能になった。空気の厚い層を飛行機で滑走した後、小さめのロケットを発射するための「スペースポート」として、既存の空港を流用するケースが増えている。日本においてはアメリカのヴァージン・オービットやシエラ・スペースが、人工衛星の離発着に大分空港を活用するとが決まっている。北海道の大樹町にもこのような拠点があるほか、沖縄県の下地島も宇宙旅行の拠点になる予定だ。

スペースポートへの道のりや周りの景観も大きなポイントとなる。新幹線の開通が周辺エリアに影響を及ぼすように、スペースポートも地域おこしにつながる。実は日本はスペースポートとして非常に魅力的な立地が多い。さらに宇宙を経由すると地球のどこにでも1~2時間程度で行くことができる。間もなく実験がスタートすると言われており、宇宙経由で世界中に行く時代がやってくるかもしれない。飛行機の台頭によって船で海外に行く人がほとんどいなくなったことを考えても、今後スペースポートが現在の空港のように必要不可欠な拠点となる可能性もある。

著書である『超速でわかる! 宇宙ビジネス』は、おそらく日本で一番簡単にわかりやすく、宇宙ビジネスや関連産業を網羅した書籍。絵本形式で書いている。小学校高学年から大人まで、宇宙に興味がある初心者にぜひ読んでほしい一冊だ。

片山俊大(かたやま・としひろ)さん経歴:2002年に株式会社電通に入社。2015年から宇宙関連事業開発に従事。スペースポートジャパン共同創業者であり、理事を務める。最新の著書は『超速でわかる! 宇宙ビジネス』(すばる舎)。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
2. YouTubeライブ配信(アーカイブでも視聴可能です)https://www.youtube.com/channel/UCOyTwjQoiUJXxJ8IjKNORmA
3. radikoでも聴取可能です

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