ダイバーシティニュース 政治(5/24)朝比奈一郎【6/30までの限定公開】

朝比奈一郎(あさひな・いちろう):青山社中株式会社 筆頭代表CEO
1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。ハーバード大行政大学院修了(修士)。経済産業省ではエネルギー政策、インフラ輸出政策、経済協力政策、特殊法人・独立行政法人改革などに携わる。経産省退職後、2010年に青山社中株式会社を設立。政策支援・シンクタンク、コンサルティング業務、教育・リーダー育成を行う。著書に『やり過ぎる力 (ディスカヴァー・レボリューションズ) 』など。Twitter

朝比奈一郎さんのニュースピックアップ

1. 参院選公示は6月22日 与党は過半数が勝敗ラインか

自民党は5~6議席増ぐらいと予測しているが、注目は選挙のあと。次の参院選まで3年もある。ウクライナ侵攻をうけて安全保障の機運が高まるなか、比例で日本維新の会が議席を増やし改憲勢力が2/3を占めれば憲法改正も視野に入るだろう。あとは東京選挙区にも注目だ。6議席のうち、自民党、立憲民主党、公明党、日本共産党で4議席は堅いと思うが、残り2議席は、山本太郎氏か、乙武洋匡氏か、あるいは維新の候補か。激戦になりそうだ。

2. 米議会が台湾の武器調達支援を検討 自衛力向上へ

いざというときアメリカは台湾にどこまでコミットするのか。先日バイデン大統領は軍事的関与の考えを示したが、ウクライナ侵攻では戦わず、台湾有事では戦うというのもよく分からない。現実のウクライナでは、アメリカ兵は死なず、武器をどんどん援助して米国内の軍需産業が儲かっている構図だ。台湾も同様ではないか。台湾が自分で戦うことを援助する戦略であり、日本に対しても近いスタンスになると感じる。

3. 沖縄返還50年 米軍基地問題など課題がいまだ山積

沖縄に米軍が存在しなければ中国からの脅威は現在のようなレベルで済まなかったかもしれないが、広大な面積を占める基地が県民の方々にとって大きな負担になっているのは事実だ。一方で、かつては本土との大変な所得格差があったものの、経済は少しずつ伸びているなど、正の側面も出てきた。今は出生率も高く、移住も増えている状況だ。観光産業をはじめとした地域振興および地方創生の力強さも感じる。

4. 「サル痘」患者が増加 WHOはさらなる感染拡大に警戒

サル痘自体はパンデミックを引き起こした今までの感染症に比べて感染力が高くないように見える。ただ、環境破壊や温暖化が進み、人間と他の生物がそれぞれ暮らす世界の境界が曖昧になるなか、今後こうした感染症は増えるのではないか。コロナも中国・武漢でコウモリから発生した可能性が指摘されている。そう考えると、都市への人口集中は3密などのリスクが高まるわけで、人々の暮らし方にも大きな影響を与えると思う。

5. 文化庁の京都移転、業務開始は来年3月 進まぬ政府機関移転

文化庁は数少ない成功事例だが、少し前に話題となった徳島県神山町への消費者庁移転は結局サテライトオフィス的になった。中央省庁の人々は「東京にいたい」とのマインドが強く、国会対応もあるのでなかなか難しい。ただ、リニア新幹線が開通すれば東京から1時間で行ける大阪まですべて首都のような時代になるだろうし、今はリモートワークも広がっている。政府がどんどん省庁を移して分散型社会を目指せばいいと思う。

【スペシャルトーク】バイデン米大統領の来日

スペシャルトークでは、バイデン米大統領の来日について、朝比奈一郎さんに掘り下げていただいた。

今回の来日は、台湾を含むアジア太平洋地域へのコミットメントについて、「アメリカは本気だし、日本もそれを懸命に支える」という日米両国の演出であり、その効果はうまく出ていたと感じる。悪く言えば分極化する世界のなかでロシアや中国との対立構図が鮮明になったし、良く言えば自由・民主主義陣営の団結をうまく演出できたと言えるのではないか。

日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」に関して言えば、「インドはこちら側につく」ということを中国に見せることができれば成功だと思う。ウクライナ侵攻ではロシアに肩入れしているようにも見えたインドだが、「ロシアの動きを見れば中国も力による現状変更の流れを起こしかねず、それに対してインドは我々と一緒に立ち向かう」というメッセージを出せたと感じている。

IPEF(インド太平洋経済枠組み)も、一見すると経済同盟に見えるが、どちらかというと安全保障の枠組みという意味合いが強い。日本とすれば本来はアメリカにTPP(環太平洋パートナーシップ協定)へ戻ってほしいわけだが、「もうアメリカは元に戻らないだろう」ということで、苦肉の策として出てきたのがIPEFだ。関税撤廃などは議論の対象外なので「(IPEFに)入るメリットがあるの?」という懸念もある。

いずれにせよ、日本は西洋的な価値観に慣れているし、日本人もそれを主体的に選択しているわけで、ウクライナ侵攻については完全にアメリカ側のスタンスとなっている。力による現状変更にはNOを示す姿勢を明らかにしている。ただ、台湾有事を含め、アメリカは自らの手を汚さず、武器を売って自国の利益は守ろうという姿勢であり、日本にも韓国にも台湾にも「自分たちで戦え」という逃げ腰がちらちら見える。尖閣諸島も日米安保条約第5条の適用対象と言うが、もし中国が攻めてきたときに「アメリカ軍は本当に戦うのか?」という思いがある。

ウクライナの現実が明らかにしたのは、世界の国々は我々が考えるほど西洋の価値観に「大賛成ではなかった」ということだ。グローバルに見れば今は権威主義国家のほうが民主主義国家より増えているとも言える。日本が自由と民主主義の陣営に入るのは明確だが、各国からすれば「アメリカのトイプードルだろ?」と見られてしまう難しさもある。日本は日本で主体的に動く姿勢を見せつつ、アジア的価値観と西洋的価値観の架け橋となって、国際紛争の仲介を積極的に行っていく姿勢が必要だと考えている。

ダイバーシティニュース視聴方法

1.LuckyFM茨城放送のラジオ FM88.1/94.6MHz
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