年商1億円の社長の給料はいくらなのか?

会社の規模を表す表現として「年商」をよく耳にします。年商は厳密には会計用語ではありません。会計用語では「売上高」に相当します。例えば、非上場会社では外部に公開される財務情報は資本金や年商(売上高)などに限定されるのが通常です。外部の取引先等にとっては、資本金と同様に年商(売上高)は会社の信用力を測るための重要な情報として認識されていると思われます。

さて、年商は会社の売上高ですから、その全てが社長の給料でないことは明らかでしょう。そして、会社が営む事業の性質、つまり取扱商品の仕入れ値、従業員数、営業・製造拠点数などによって売上原価や販売費及び一般管理費の売上高に対する割合は変わります。

その結果、利益の多寡も様々でしょうから、年商だけで社長の給料が高いかどうかは分かりません。例えば、年商が1億円に満たない会社の社長の給料が3,000万円、年商100億円の会社の社長が1,000万円ということもありえます。年商は会社の売上高であり、事業規模を示す目安の1つではありますが、社長の給料には直結しないので注意が必要ですね。

ところで、売上高の金額は、近々会計ルールによって大きく見直される予定です。

従来、日本の会計ルールでは取引の金額(取引価格)について詳細な定義がされていませんでした。これに対して、2021年から適用される新しい会計ルール(*)では、取引価格についての詳細が規定されます。これにより、従来の会計処理と比べて例えば以下のような変更があるとされます。

リベート等の取り扱い

得意先と一定期間中の取引金額に応じてリベートを支払う約束をしている場合があります。従来、リベートの会計処理については、リベートの支払時に販売促進費(販売費及び一般管理費)等で会計処理する会社もあります。新しい会計ルールでは、リベートが実質的な売上の値引きに相当すると判断される場合は、販売時にリベートの金額を見積もり、売上高から控除します。その分、売上高は減少することになります。

返品権付売上の取り扱い

最近では、インターネット通販など返品を前提とした販売形態も増えています。従来は、売上計上後、決算時に過去の返品実績等から将来の返品可能性を見積もり、返品リスクを返品調整引当金(販売費及び一般管理費)として費用計上していました。新しい会計ルールでは、将来の返品リスクとして見積もった金額を売上から控除して計上します。その分、売上高は減少することになります。

間接税の取り扱い

消費税、酒税等の間接税は、売り手が国等に代わって買い手から徴収し、最終的に国等へ納付されます。つまり、間接税は、便宜上、会社を経由しているだけで、会社の純資産を実質的に増加させるものではありません。したがって、間接税を売上高に含めている場合は、これを売上高から控除することになります。なお、消費税については、上場会社などでは既に売上高から控除する会計処理(税抜処理)が実施されているため実質的な影響は無いでしょう。

 

*「収益認識に関する会計基準」。2021年4月1日以後開始する会計年度から適用。なお、2018年4月1日以後開始する会計年度の期首、あるいは、2018年12月31日~2019年3月30日に終了する会計期間の期末から早期適用可能です。

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