オープンかつ相互補完関係で起業家たちを全力サポート!「G-STARTUP」でチャレンジする人を増やす〜加藤由将×杉原美智子×中村亜由子×堀新一郎×今野穣

本記事は、G-STARTUPローンチセミナー「ユニコーンを100社輩出する生態系をつくる~アクセラレーションプログラムの役割とは~」の内容を書き起こしたものです。(全3回 後編)

今野穣氏(以下、敬称略):今回のテーマには「ユニコーン」というキーワードがあります。皆さんはシードを支援しているとき、ユニコーン(を生み出す)ということをどれぐらい意識していますか?

堀新一郎氏(以下、敬称略):気にしますよね。貴重な時間を使ってメンタリングをするわけですから一社でも多くユニコーンが生まれて欲しい。やっぱり「スケールできるのか」という話は採択の基準でもあって、常に質問しています。

今野:それは「市場が大きい」かどうかとか?

堀:市場が大きいかどうか。あとは3年後や5年後、そのマーケットおよびビジネスドメイン自体がスケールしているかどうか、ですとか。

日本のアクセラ市場はまだ黎明期

今野:中村さんはどうですか?日本のアクセラってうまくいっているんですかね。

中村亜由子氏(以下、敬称略):今は市場ができている黎明期だと思っていますから、まだまだうまくいっては…。

今野:何が足りないですか?

中村:すごく混乱していますよね。目的に応じて、自分たちに何が必要かを分かったうえで応募するべきなんですが、採択する側も応募する側もまだ混乱しているケースが多い。

今野:今はアクセラがいっぱい出てきて特徴がよく分からなくなっている感じですかね。

中村:そうですね。皆、自分のところに応募して欲しいから「こんなことができます」「あんなことができます」と言ってしまう一方、受ける側もきちんと比較せず、自分たちが対象かどうか分からないまま応募してしまう。かつ、目利きサイドも基準が定まっていないことが多い、と。壇上の方々は基準がすごくしっかりしているし、このレベルが普通になれば市場はもっと整うと思いますが、今はまったくそうなっていない感じです。

起業家たちにアクセラの本当の価値がまだ伝わっていない

堀:たとえばエンジェル投資ですとか、出資形態が今はいろいろと増えてしまったからアクセラレーターに行かなくてもお金をゲットできちゃうのが一番の理由じゃないですか。日本では起業家の側から価値が認められていないですよね。

今野:本質的にはどうですか?客観的に見てアクセラには本当に価値がない?

堀:ポジショントークになりますが、たとえば20~30社、あるいは40社に投資しているようなエンジェルの方が毎日面倒を見てくれるかというと、そういうわけでもないですよね。あるいは、B2Cが得意なエンジェルの方でもB2Bは分からなかったり、マーケティングは分かるけれどもファイナンスは分からなかったりして。エンジェルの方に入っていただくこと自体はいいと思いますが、そのあたり、アクセラレーターはグロービスさんも壇上の私たちも、すごくいろいろな機能を揃えているし、手厚くサポートしています。ただ、そういうところが起業家の方々にうまく伝わっていないなということは感じますね。なんなんでしょうかね。

今野:僕らは半年~1年ほど前「アクセラをやろうか」ということで、それこそ皆さんにもヒアリングした覚えがあるんですが、そこで言われたのが「結構大変だよ」「今さら」だったんですね(笑)。それでも今のタイミングでやろうと決めた理由は何か。今はアクセラ自体が結構てんでばらばらというか、各社各様にやっているんですよね。でも、それをもっと線なり面なり、アクセラという産業にしていかないと生み出すものも生み出されないんだろうな、と感じていました。その意味で、たとえばCode Republicでゼロからイチをつくった人が次はG-STARTUPに来て、そのあと事業提携で東急さんに行く、みたいなつながりがすごく大事になると思っています。だからG-STARTUPの思想も「オープンで、かつ相互補完関係で進める」という風にしたというところがあります。

社会インフラの整っている日本では、アクセラは絶対必要

中村:アクセラが必要か不要かと言えば、日本では絶対に必要だと思っています。

今野:その心は。

中村:ブームは終わると思いますが。日本は社会インフラがすごく整っている国なので、かえってユニコーンが出てこない。メルカリさんしか出てきていない日本の状況は、お金をもらって投資家と1対1の関係でやっていこうとしても、インフラが整い過ぎているがゆえに、どうしても詰まる場面があるということなんだろうなと思っています。そこで、フェーズごとにそれぞれアクセラレーションプログラムを活用して手厚い相互連携の関係に入っていくと、事業規模も一気に拡大していくのではないかな、と。そのなかでユニコーンのあとのデカコーンまで目指せるような企業さんが出てくるんじゃないかなと思います。

杉原美智子氏(以下、敬称略):そうですね。先日VCの方とお話をしていたときも「やっとグロービスさんがやってくれたか」という感じになったんですが、グロービスさんがそこをしっかり整えていくのは大きな意味があると思うので、私は半年前から応援していました。

今野:では最後に1つ。我々はプログラムとして選ばせていただく一方、参加者の方々も適切なアクセラを選ぶ必要があると考えています。アクセラ以外の手法も含めて。そこで、アクセラに応募しようと考えている人に対して「こういう部分をよく見たほうがいい」「こういうことをしっかり考えて応募したほうがいい」といったお話が何かあれば、応援を兼ねてメッセージをいただきたいと思います。

起業家がアクセラを選ぶ時の見極めポイントとは?

加藤由将氏(以下、敬称略):事業会社系のアクセラレーターと独立系でメンタリング重視のアクセラレーターとはフェーズがまったく違いますが、共通するのは窓口となる方との相性。これはめちゃくちゃ重要だと思います。まずそこが自分の世界観を受け入れてくれるのかどうか。あと、プログラムごとにアクセラレーターのケイパビリティもまったく異なってきます。ですから、たとえば不動産の「場」を使いたいと考えているのか、サービス業のオペレーションにプロダクトを組み込んでデータが欲しいと思っているのか。皆それぞれ違うので、どこが特徴的なのかをしっかり確認してからエントリーするのがいいと思います。それをせず、入ったあとに「これ、使えないじゃん」みたいな話になるなら、特に事業会社系のアクセラレーターなんて応募する意味がないですし、そこは気をつけるべきだと思います。

一方、シードでメンタリング重視のところは「どれくらいの頻度で、どれほどのフィードバックをもらえるのか」といったところを確認してからエントリーすれば、それほど不幸な結果にはならないのかなと感じています。

杉原:3~4ヶ月の期間といえどもコミットして時間を費やすことになります。ですから互いに浪費しないというか、貴重な時間を使って何を取りにいくのか明確にしたうえで、それが取れるのかどうか。そうしたことを「相手に評価されるのではなく、こちらが評価しにいく」くらいの気持ちでエントリーなさるといいのかなと思います。

中村:見極めのポイントは4つあると思っています。まず、アクセラを運営している主催者は誰なのか。企業価値の向上を考えていらっしゃる事業会社なのか、VCなのか、コンサル会社なのか。また、どんなリソースを提供してくれるのかも重要です。で、3つ目は運転資金の確認。G-STARTUPは最初に採択された時点で運転資金をもらえるということですよね。Yコンさんもそうですし、独立系はもらえるケースが結構多い。逆に、事業会社系だと、それがないプログラムも多いんですね。3ヶ月間、運転資金もないままコミットしなければいけないようなものもありますので。そして4つ目は、やっぱりご自身が何をやりたいか。そこを改めて照らし合わせていただくのが大切だと思います。

堀:共通しているのは「ちゃんと調べましょう」と。採用面接もアクセラレーターの採択面接も同じですが、あまり調べず応募なさる方はいますよね。でも、今はネットにたくさん情報が転がっているわけですし、ぶっつけ本番にしないこと。事前に話を聞きたいのなら、個別に連絡して採択基準を聞けば教えてもらえると思いますし。

なにせ、今は百数十もあるアクセラレーターが皆「うちに来てくれ」と言っている状態なので。私どもが2016年にはじめた当初、第1回目は応募アプリケーションが100件以上にのぼりましたが、半年後の第2期ではいきなり40ぐらいにまで減りました。第3期に至ってはぜんぜん来ない。それで起業家にヒアリングしてみると「半年に1回しかやっていないからです。僕は今月起業したい。来年の2月まで待てません」と言われて、「…そりゃそうだよな」って(笑)。「じゃあ常時採択にしようか」と、去年から常時採択に切り替えましたが、それでも第1回目に比べたらアプリケーションはまったく少ない状態です。お恥ずかしい話ですが、それで苦労しています。それほど、今はどこも採択したくて仕方がない売り手市場なので、ぜひいろいろ研究をなさると、良いところが見つかるのではないかなと思います。

今野:ありがとうございます。アクセラはたくさんありますし、なんというか、失敗をしていい場でもあるので、次々チャレンジしたほうがいいと思います。ただ、一方ではきちんと準備して選んで、自分たちは何がしたいのかを決めて参加しないと互いに時間の浪費になってしまう、と。

堀:だって今は黎明期で、しかもG-STARTUPがはじまるわけだから、その初期なんか絶対にいいわけですよ。プログラム側が「絶対に成功させたい」と思っているから、応募したら全力でサポートしてくれるわけじゃないですか。

今野:1期目は得ですよね、絶対失敗したくないから。プログラムとしてですよ。皆さんのほうはどんどん失敗してもらっていいと思いますが、新卒1期生みたいなもので。

堀:もし1期目で受からなかったらウチに来てください(会場笑)。

今野:相性もありますから。さて、ではここから会場とのQ&Aに入りたいと思います。

Q1「これはうまくいったな」というアクセラの成功事例とキーサクセスファクタを2~3つ伺いたい

加藤:分かりやすい例ではVRスタートアップというのがありました。とあるVRのスタートアップが「プロダクトをつくったのはいいけれど、いくらで売ればいいか、どんな視聴環境が最適なのかといったことが分からない」と。で、それはたくさん回してみないと分からないということで、東急レクリエーションという会社が自社の映画館を訪れた方々に「ついでにVRも楽しんでいってください」と、専用ブースを設けてアンケートも取ってあげました。すると、平均値としてだいたい15分のコンテンツで500円を払うという統計が出ました。東急とすれば2時間の映画を流しても2000円ぐらいしか取れないわけですが、VRなら15分で500円、フルで回したら2時間で4000円取れる。それで、東急はスタートアップに対して、コンテンツが長いか短いかとか、ヘッドセットの装用感とか、アンケートで得たさまざまなデータを戻してあげた一方、自分たちも空間の使い方や新しいエンターテインメントのUXが何かというのを理解できました。これはPoCとしてすごく良い結果が出たというのはあります。

堀:GCPさんに出資していただいたShippioという会社がありまして、こちらはCode Republicの卒業生です。彼らはもともと、「中国人の訪日観光客の方々が爆買いで免税手続きに長蛇の列をつくることに対してソリューションを提供したい」ということで応募してきた。スマホか何かですぐ免税手続きができる、みたいな。それで「分かりました」と。「マーケットはないだろうなぁ」と思ったんですが、起業家の方が三井物産出身のすごくエネルギッシュな方で、チームもすごく良かったので採択したんです。

案の定、2日目に「僕たちがやろうとしているビジネスをすでに完成させて販売している会社がありました。もう今から僕らがつくっても間に合いません」と言ってきました。それで「分かった。じゃあ一緒にビジネスモデルを考えよう」と、もう毎日「壁打ち」をやって、それで現在の輸出入に関するプラットフォームのビジネスモデルになりました。それで、グロービスさんから…、いくら調達したんですか?

今野:プレシリーズAで5000万だったかな。

堀:たぶんそのあとシリーズAを計画して、今度は数億の資金調達に進むということで成功しました。何が言いたいかというと、ビジネスモデルがどん詰まってしまったとき、一緒に伴走したということです。普通、そこでコケてしまったら挑戦を止めてしまうわけですよね。そこを一緒にビジネスアイディアをつくったというのがいい事例だと思います。

あと、キーサクセスファクタについてですが、私が今痛感しているのは、GCPまたはYJキャピタルのシリーズ・AシリーズBと同じ成功確率で考えないほうがいいという点です。起業家の皆さまの前でこう言ってしまうのは大変失礼であると承知しつつ申し上げますが、失敗するリスクのパーセンテージを自分の想像以上に高く取るということですね。

今野:期待し過ぎない、と。

堀:期待し過ぎない。アクセラレーターはすごく時間をかけるものなんです。メンタリングだってGCPであれば月イチぐらいだと思いますが、アクセラレーターは1週間~2週間に1回行います。工数もすごくかかっていますから、全員にうまくいってもらいたいという思いがどんどん芽生えてしまう。でも、うまくいきません。申し訳ないです(会場笑)。成功確率は低いんです。そこを許容して、進めること。ですから大事なポイントは失敗のリスクを認識することと、数をこなすこと。確率論ですから。これが重要だと思います。

今野:本当に、シードとアーリー以降は成功のさせ方がまったく違いますよね。ちょっとプログラム側のロジックにはなってしまいますが、シードは「とにかく数を」ということで。

中村:アクセラって、プログラム期間を決めてリソースを提供するという意味では仕組みとして単純明快なんですが、そこで事務局のアントレプレナーシップというのもかなり大事になると思います。やっぱり相性があるし、起業家が20人いたら20様なんですね。ですから、起業家に合わせてPDCAを回して、その場で柔軟にジャッジをするべき場合はジャッジするし、上に持っていったほうがいい場合は上に持っていくし。そういうことを回しながらコミットしないと、難しいなと思います。

今野:他のアクセラでもメンターをやったりしている立場から1つ目のご質問にお答えすると、これは定量的な成功事例の話ではありませんが、まず「やらないこと」を決めてあげる、もしくは決めるプロセスに参加してあげるというのが1つあると思います。で、もう1つはマイルストーンをしっかり切ること。ステージが早ければ早いほど「バラ色の将来」なんですよね。それでやりたいこともMAXの状態なんですが、「人ってそんなにたくさんのことはできないよね」と。アクセラの話でなくてもフォーカスってすごく大事だし、フォーカスするための仮説検証サイクルも必要です。「1度に10個も20個もできないよね」というのが1つ。

また、資金がつながらないかぎり会社は続かないので資金調達が大事なわけですが、マイルストーンの切り方を間違えると絶対に次の調達までいかないんですよ。調達は非連続に大きくなります。仮説が検証できた瞬間に時価総額が3倍にも4倍にもなるし、売上がついた瞬間も2倍3倍になる。線形に伸びません。そうすると、今あるお金もしくはリソースで次の調達までに何をすべきか明確にセットしないと、時間だけ過ぎていくということが結構ありますので。これはゼロからイチでなく、もう少しシリーズAにいくまでの話ではありますが、そういう話はアクセラやメンターから得られるプラスの情報かもしれません。かつ、担当は1人かもしれませんが、その「場」にはメンターがたくさんいるので。2nd、3rdオピニオンをもらえるというのもアクセラという場の価値なのかなと思います。

Q2、東急がアクセラを行うメリットは何になるのか?

加藤:東急が何を目指しているのか。一言でまとめるとプラットフォーマー戦略です。KDDIさんと比較するとよく分かります。KDDIさんは通信のプラットフォーマーで、スタートアップをM&Aしながらコンテンツをどんどん増やしていますよね。一方、東急はリアルの生活空間でインフラや不動産を持っていますから、そこをプラットフォームにしてコンテンツを次々入れていく。それで世界一コンテンツが乗りやすい、サービスを展開しやすい沿線みたいな形になると、自分たちで1つずつ開発するよりはるかに早く、多様なものが入ってきます。

東急というのはサービスオペレーターで労働集約型のビジネスモデルばかりなんですね。保育園とか病院とか駅とか。それでデジタルの開発ができない。めちゃくちゃ不得意なんです。なので、そこをスタートアップと一緒にやることで、超高速でPoCを回して自分たちのデジタルトランスフォームを実現していく。一方、スタートアップのほうは我々のプラットフォームを使って急速に伸びていくというのが、一番美しい形だと思います。

Q3、起業家は最初のビジネスモデルにこだわってしまうと思いますが、それをどうやって諦めさせるのか?

堀:「諦めさせ方」というとアレですけれども(会場笑)。私は投資家であり、前職は戦略コンサルをやっていたので、投資家や戦略コンサルが持つコンプレックスみたいなものがあります。どこまでいっても、「どうせあなたは事業家じゃないから分かんないよね」といったことを起業家の方々から言われてしまうことに、本当に辟易しているんですね。ですから、ユーザーがどうフィードバックをしたか。それだけです。「それをやってくれ」と。1人に聞いて「No」と言われたら「10人に聞いてごらん」と。10人に聞いて2人は「いいね」で8人が「No」なら、その2人を深掘りしたり、100人に聞いたり。

ただ、「1000人に使ってもらったのですが、1人『良い』って言ってくれてるから、まだ信じています」という人もいる(会場笑)。本当にいるんです。その場合はどうするかというと、先輩起業家を使います。メルカリの山田進太郎さんだったり、スマニューの鈴木健さんだったり、いろいろな人にお願いして、「僕がサービスをつくったときはこうやって成長していった」と、成長スピードや成長角度のお話をしてもらいます。そのうえで、「それで今はどれくらいやっているんですか?」「1000人に使ってもらって1人に気に入ってもらいました」「それ、やばくないですか」って、成功した人に言われるとハッとなるんですね。でも、それを投資家やコンサルに言われても、「いや、あなたは分からないから」となっちゃうから、私はそういうテクニックでコミュニケーションをしています。

今野:杉原さんはその辺いかがです?一次産業は結構重たいものも多いと思いますが。

杉原:基本的に農業も一次産業も現場の人たちをどう動かせるかがすごく重要で、そのとき求められるのは「グリッドでやり抜けるかどうか」みたいな、人間力の部分だったりします。そういう意味では、時間はかかるかもしれませんが、私は採択させていただくとき「私はこの人を愛し続けられるか」といったことを考えます。それで、今回のアクセラでは無理だったけれども、別の会社さんのアクセラをやったときにもう1度お声がけをして、それで業務提携できたという事例もあります。そんな風に、すごく長い付き合いができるかどうかといった視点でやり抜くことかなと思います。

Q4、Code Republicさんの採択基準を教えてください。また、エンジニアの参加が必須のプログラムでは、エンジニアの方はパート等でなくフルコミットでないといけないのでしょうか。

堀:採択基準に関してはCode Republic公式サイトの応募フォームに「ビジネスモデルをご説明ください」という欄があります。で、そのなかに「誰に対して?」「どういった課題を?」「どう解決するのか?」「マネタイズ方法は?」「従来のサービス(競合)とどう差別化しているのか?」「どれぐらいの市場規模を狙えるのか?」という質問があります。その回答の内容レベルで判断していますね。あと、エンジニアの寄与度に関して言うと、我々が見ているのはネット系のサービスになるので、エンジニアがいないチームは採択しません。

今野:加藤さんのところはどうですか?

加藤:エンジニアがいないチームの応募はほとんどないですね。リモート等で一部週末に手伝ってもらうというのはありますが、基本的には自社でシステムを開発できないと、検証したあとの修正が効かないので。結果的にはすべてのケースでいらっしゃる状態です。

Q5、アクセラでベンチャーを支援する最大のモチベーションは?

杉原:私は独特なので参考にもならないかもしれませんが、もともとチャレンジする人を応援する国でありたいという思いが根本にあります。チャレンジする人=スタートアップ。だからスタートアップの方々が好きで、そうした方々をサポートする仕事として許されるのがオープンイノベーションだったという、そういう順番なんですね。ですから、基本的にはスタートアップのアクセラレーションで事業化を行い、日本から1つでも多くのインベーションや産業を生み出すというのが自分自身のモチベーションです。で、そのために私が役に立てるところは何かということで、公共セクターとのパイプやMUFJのラインを活用して、いろいろなことに手を出している感じですね。

中村:私は、価値のある出会いが未来をつくると本当に思っているし、そのためにオープンイノベーションを浸透させるプラットフォームをやっています。そのあたりはWebプラットフォームですから、後ほどぜひ検索して見てみてください。で、VCさんと違ってアクセラの事業者さんはキャピタルゲインがないというのはその通りなんですが、各事業会社さんにとって何らかの見返りがあるからやっているわけですね。その会社とのシナジーもそうですし、社内ではなかなかやりにくい、それこそイノベーションのジレンマにあたるような領域に張っていくこともできます。あるいは、社内にてゼロイチでつくるのがなかなか難しいもの、たとえばAIのところを取り込むということでトヨタさんがプリファード・ネットワークスさんに出資したようなケースもあります。そんな風にして、自社の企業価値を高めるために社外と協力していくことが1つの戦略として必要という話なのだと思います。

Q6ユニコーンを目指す上で重要になる「ビジョン」「チーム」「マーケット」の3つは、所与のものという面が大きいと感じていますが、そこにアクセラがどんな影響をおよぼすのか?

今野:今、挙げていただいた3つの要素は、僕は所与のものだと思っていないんです。それならば日本はまだユニコーンが1社だけということはないでしょう。だから、たぶんそこには大きな課題がいくつかあると思うんですが、今回のアクセラに関して言えば、「頂上のところで今1社しかないなら裾野を広げてチャレンジの数を増やしましょう」というのがそもそもの価値になると考えています。

それともう1つ。最初からぴかぴかのチームやアイディアでやっていても現在のような状況になっているわけで、当然ながら、やっている最中にもたくさんの課題があるわけですね。そこで、すでに1000億を見たことのあるファカルティの方々が自分たちの経緯も振り返りつつ、「今はいいかもしれないけど、ここでつまずくよ?」とそんな風に、縦の連帯や逆算の経営もフィードバックしてもらうということを、少なくともG-STARTUPはやっていきたい。それで現在のような布陣にしています。

ですから、まずはアクセラ全体で束になってオープンになって、日本全体の裾野を広げようという話ですね。そして「とはいえ、ユニコーンまで行くためには、1000億を見た人たちにフィードバックをもらおう」と。その2つを掛け合わせたのが今回の取り組みです。それではこれで終わりにしたいと思います。改めて壇上の皆さまに拍手をお願い致します。本日はありがとうございました(会場拍手)。

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