【速報】G1@Clubhouse㉓「河野大臣との対話#2:規制改革の進捗共有」河野太郎×柳川範之×秋山咲恵×竹中平蔵×堀義人

G1@Clubhouse㉓「河野大臣との対話#2:規制改革の進捗共有」河野太郎×柳川範之×秋山咲恵×竹中平蔵×堀義人
昨日、2月20日22:00 ~23:00に行われたG1@Clubhouse㉓の内容のポイントをご紹介します。

テーマと出演者

テーマ:「河野大臣との対話#2:規制改革の進捗共有」。

出演者:河野太郎(行政改革担当大臣)、柳川範之(東京大学大学院経済学研究科教授)、秋山咲恵(サキ・コーポレーション)、竹中平蔵(慶應義塾大学名誉教授)、堀義人

発言のポイント

※上記出演者のご了解を得たうえで、記録、公開しています。

1)規制改革の進捗状況

・押印、書面、対面の廃止という流れで言うと、次は「特定の人間を置かなければいけない」「特定の仕事だけ、または特定の場所でだけ、やらなければいけない」という必置、専任、常駐の廃止を目指している。これほど人口が減って、かつICT等が進展している状況を考えると「見直しが必要では?」ということで、今は各省庁にて洗い出しをしている。

・テレビ放送をネットで同時に配信できるようにするということも進めている。著作権法を変えなければいけないが、文化庁が改訂に合意をして、法案もこの通常国会に提出されてきた。

・美術品取引に関する規制改革もある。今まで、アジアにおける美術品・宝飾品市場のハブは香港だった。保税地域でのオークションや展示会で売買した美術品を香港はそのまま持ち出せるが、日本では同じことができず、「それなら香港で売買しよう」となっていたためだ。しかし、財務省の関税局がこの点に大変な理解を示してくれて、今は日本の保税地域に関する規制が一気に国際水準並みとなった。20兆におよぶ世界の美術品市場のうち、香港は2兆円で日本は2,000億弱。これを変えたい。

・空飛ぶ車に関するルールづくりも進めている。2023年から事業が開始できるタイムスケールにしているが、今はそれに間に合う規制状況にないというか、どうしたら日本で運行できるかというルール自体が定まっていない。そこで、主に国交省へ働きかけ、事業化に必要なルールづくりに取り掛かってもらっている。

・細かい緩和はいろいろある。たとえば救急車。今までは高速料金が出動時のみ無料だったので、搬送後は下をてれてれ走って帰っていたが、帰りも高速を無料で使えるようにした。そういう細かな規制緩和については、今はもう、我々が問題提起をすれば相手の省庁が「分かりました。やります」と、自動的に降りるぐらいの感じになっている。

・デジタルに関して、これまで政府のシステムで不具合が連発していたのは、政府にITエンジニアがおらずベンダー外注が当たり前だったから。だから使い勝手が悪くても政府側で修正できなかったし、消費者の声を反映させる改善もできていなかった。そこで、デジタル庁がエンジニアを雇い、政府で修正・改善できるようにするというのが平井(デジタル改革担当大臣)さんの狙いだ。内閣人事局を持つ私のところでも、それが可能になるようルールを変えていく。働く場所はどこでも良いことにしたり、定年までデジタル庁にいる前提でなく、特定のシステムをつくるときだけ力を貸してもらえるような形にしたり。そうして、政府のシステムづくりに参画したことを勲章にして民間に戻れるような、回転ドアのようなキャリア設計ができる新しい役所をつくりたい。

・ワクチン接種の管理システムは創業8年目のスタートアップにお願いした。これは随意契約。入札でやっていたら、その企業は入札資格も持てなかったと思う。デジタル分野ではそうした調達改革も必要になる。

・今は平井さんと私で「2+1(ツープラスワン)」をつくった。「2」は私と平井さんで、「1」はもう1人の大臣。警察関連のデジタル化やオンライン診療等々、デジタル化または規制改革をして欲しいことを私と平井さんからお願いをするというもので、こちらは閣僚3人だけで決定していく。

・現在のようなスピードで規制改革が進んでいる一番の理由は、菅総理がせっかちだから。いつだったか、閣議のあと「あの件はどうなってる?」と聞かれ、「○○です」と答えたのだが、その日の晩に赤坂の議員宿舎の入り口でばったり会ったとき、「おい、あれはどうなった?」と、同じことを訊かれたことがある。「まだ8時間しか経っていないでしょ」と(笑)。

・今は「来年度に審議会を立ち上げ、再来年度にシステムをつくり、4年後に○○を」といった話に対し、私が「いや、年を週に置き換えろ。来週審議会を立ち上げて2週間後に結論を」と言うと、各省が「週は無理だから月にしてください」と言っているような状態だ。今までのペースとは違うというのが、霞が関でも定着してきた感はある。本日2月20日時点でも、いまだに「今年度中に何ができるの?」と訊いている。「何年」から「何ヶ月」へ、仕事のタームが変わってきた。

2)今後取り組むべき内容

・空飛ぶ車のように、規制撤廃でなく新しいルールづくりが必要な領域もある。「どこが事業化の許可を出すのか」「安全基準はどこが決めるのか」といったルールが今は何もない。たとえば三重県は空飛ぶ車の事業化を推進していて、「試験会場を三重につくりたい」と言っているが、ルールがないと何を整備すれば誘致できるかも分からない。そうした部分にもしっかり対応したい。自動運転についても同じ。「道交法に従ってください」だけではテスト走行もできないので、今は試験で自動運転のデータを集めるためのルールづくりも進めている。

・改革を継続していくためには、「規制改革がこんな風にプラスの影響をおよぼしている」と、世の中に広く伝えていくことが大事になると思う。先日、空飛ぶ車に関する発表をしたとき、たまたまワクチンに関してもアナウンスがあったので併せて発表したことがある。で、空飛ぶ車については相当に大きな話だったため、担当者を立ち会わせたうえで質問等あれば会見後にブリーフィングもできる準備をしていた。ところが、空飛ぶ車については何も訊かれず、質問はすべてワクチン絡み。そんなこともあったので、現在の規制改革がいかに重要で、大きな影響をおよぼすのか、多くの方にあちこちで拡声器の役割を果たしていただけたらと思っている。

・ライドシェアに関して言うと、今は諸外国でもウーバーのドライバーが従業員扱いになったり、社会保険が適用されたり、少しずつ規制が入ってきた。日本ではライドシェアとタクシーが対立概念のようになっているが、前者に規制が入る一方、タクシー業界に今負担させているものを次々外していくと、結果的にはウーバーと同じようなサービスが日本でもタクシーでできるようになるのではないかと感じる。たとえば、今は計量法という法律で指定したメーターに加え、ソフトウェアメーターも使えるようにする議論をしている。それができればダイナミックプライシングも可能になるし、今はそうした話が国交省でも議論のテーブルに乗るようになった。

・ハンコがなければ多くの場面で紙を出す必要がなくなり、仕事がデジタルで完結する。書類がいらなくなれば役所に行かなくてもいいし、対面も不要になる。そんな風に、認印の廃止は規制改革を立て続けに起こしていく、ボーリングでいうところのセンターピンのような位置づけになると思う。必置、専任、常駐についても同じ。なくなれば1人でいろいろな仕事ができるようになるし、企業行動もいろいろ変わっていくのではないか。

3)国民への期待・要望

・皆さまにお願いしたいのは、規制改革が進んだ領域を積極的に活用・実践して、成果をあげていただくこと。たとえば、行政手続きで廃止できても、民民の手続きではいまだにハンコが使われている場面は多い。そこはできるだけ廃止して欲しい。また、規制改革全般について多くの方々に話し合ってもらったうえで、それがどれほど大事か、メディアの前でたくさん話していただけるとありがたい。「なぜ、メディアは規制改革についてもっと書かないんだろう」と。

・経済にまつわる規制改革とはうらはらに、社会的な規制改革はなかなか進んでいない。イデオロギーや価値観に紐づく話が多く、党内でも意見が一致しないためだ。日本の政治手法は、与党内で皆が賛成したものが法案になり、それを国会で質疑にかけたのち採決する流れとなっているが、臓器移植法改正案は例外だった。脳死を人の死と認めるか、党議拘束をかけずに本会議で採決を行った結果、成立した。同じように、夫婦別姓や代理出産といった社会的規制については党議拘束をかけず、議員1人ひとりが本会議でのみ賛否を投じれば良いと考えている。社会的な規制は、関係のある方にとっては大変重い話だが、そうでない人にとっては、直接関係ないがゆえに好き勝手にものを言えてしまうので。

・基礎自治体がそれぞれ個人情報保護条例を持っている「2000個問題」については、法律でまとめることができると思う。そのうえで、せっかくマイナポータルをつくったのでAPI連携で各種民間サービスにもつなげられるようにして、デジタルサービスを飛躍的に進歩させたい。嫌だという方は使わなければいいわけだし、使いたい人にとっては利便性が高くなるということで、使うか否かは個人の選択。利用すると決めた人が利用できるよう、マイナポータルと民間および行政サービスをつなげられるようにするというのは、デジタル庁の狙いでもある。

・障害を持つ方々の働き方については、介護を受けながら働くことができる状況であれば、1人でも多くの方に社会参画していただくことが日本の目指す姿になる。そこもしっかり議論して、働いていただける方向で進めていきたい。

・コロナのこともあって最近はメディアが規制改革をあまり取り上げてくれないが、今回のクラブハウス配信状況を見ると、大変な数の方々が注目してくださっていると分かり、本当にうれしく思う。もちろんワクチンについても頑張っていくが、規制改革も並行して進めていくので、「こういう規制がおかしい」といったお話があれば、今後もどしどしご意見を頂戴したい。

G1@Clubhouse㉓「河野大臣との対話#2:規制改革の進捗共有」河野太郎×柳川範之×秋山咲恵×竹中平蔵×堀義人

ディスカッションに参加してくださった皆様

今後の予定

G1@CH㉗「コロナ禍にバブル後最高値更新:世界経済と金融市場に何が起こっているのか?」(coming soon)

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